全国からの贈り物

はじめまして。

  

広島平和記念公園で碑巡りなどの平和のボランティアガイドをしているHiroakiです。

お客様との日々のガイド活動で感じた事などを中心に書いていく予定です。

 

先月は日頃のガイド活動を充実させるための課外研修に行って参りました。

といっても、原爆に関する樹木を見に一人ぶらぶら散歩に出掛けただけなのですが。

 

書物や資料で知ったつもりでいても実際にどうなっているのかを、出来るだけ

自分自身の目で確かめた方がガイドをする時の何かしらのきっかけに役立ったり、

説得力を増すガイドになると日頃から思っていたので、天気も良いし私の自宅からは少し遠出の散歩となりました。

 

平和記念公園より東へ30~40分歩いた所に『被爆者の森』という区画が平和大通りを挟んだ両側緑地帯にあります。

その緑地帯には全国から広島へ贈られて来た各都道府県の木が植えられています。

北は北海道から南は沖縄まで全国からその地にちなんだ樹木が贈られて植えられているのだそうです。

 

その樹木について、私たちガイド仲間の内でもささやかれている事のひとつに

始めは全部の木が揃っていたが、今現在は何本か枯れていて全国からの樹木は揃っていない。

という噂がありました。

 

私は丁度、その『被爆者の森』に関する資料を最近手に入れていた事もあって、

実際はどうなっているものか、見に行こうと考えたのです。

 

いえ、本当は当初『被爆者の森』の位置だけ確認して帰って来ようと思っていたのでした。

平和記念公園からその場所に直接通じるバス路線もないし、資料に掲載されている樹木は1道1都2府43県の本数ですから、

とても全部の樹木を確認して、さらに自宅からだと片道50分の道のりの往復の散歩は

正直しんどいと思っていたからです。

 

自宅から八丁堀周辺などは毎日仕事や用事とかで出掛けていて、充分徒歩圏内なのでさして苦労はないはずですが、いつもと違うルートの平和大通りを真っ直ぐ東へ進む道は遠い、実に遠い。

いくら歩いても、それらしき緑地帯が視界に入ってこないのです。

目的地の場所がはっきりしない散歩はとても疲れるものでしたが、もみじ饅頭の「にしき堂」を越えた辺りからそれらしき緑地帯が現われて、やっと『被爆者の森』へたどり着く事ができました。

 

ふーっ、やっと着いた。

福山通運の前辺りに案内板の設置もあって何県の何々とい樹木は何処に植えられているといった表と地図が書かれていて、とても分かり易い案内板でした。

 

さてと、場所も分かったし、当初の予定通り帰ろうかなと思ったのでしたが、

 

いやいや、待てよ。

もうこんな遠い所、二度と歩いては来たくないな。

案内板に全ての樹木の位置が書かれているし、全部枯れずに樹木があるかどうか

確認してみようか。

 

もう既に、来た道を10メートルくらい帰りかけた道中に思い直したのです。

既にここまで50分くらいの道のりを歩いて疲れていたのですが、このまま何の成果も上げずに帰るのももったいない気がしたのです。

どうせ、疲れるならここまで来たんだから、もうひと仕事しようか。

ガイドの仲間内でささやかれている真相を確かめる決心をしたのでした。

 

案内板が分かり易い事も手伝って、各樹木には県名のプレートが付いていたので

意外と楽に確認でき、しかも探す道中がとても楽しく感じました。

長崎県の樹木は付いているプレートがその樹木の茂みの中に隠れていて、地図上では確かこの位置にあるはずなんだけどと何度も探してやっと見付け、ああこんな所にいたんだね。なんて。

 

さて、噂の真相は?

 

 

   全国の皆様どうぞ、ご安心下さいませ!

 

 

   全国から広島の地に贈られてきた樹木は

 

 

   すべて元気に育っております。

 

 

           (2015年9月現在)